なにがあってもしぶとく肥え太っていくと思われていたMSが,今年はどうもおかしい気がする。「あのときから,本当の転落が始まった。転落してからは,早かった」と未来がいうときの,「あのとき」は…。
ネットスケープ社がマイクロソフト社を提訴したが,ハイテク業界はおおむね無関心だ。提訴は99年11月から予期されていたが,01年6月の控訴裁判決後にもなく,ここまで遅れた。
もしかしたら,だが,未来から考えたときに2002年という年はMSが崩壊していった年だったな,と思わせるものがあるのではないか,とひしひしと感じられる。過去記事にも書いたが,まるで今年が厄年ででもあるかのように,今年に入ってからMSの動きは不穏に乱れている。いろいろと乱れるのは今までも同じようなものなのだが,今年に入ってからはどうにもこうにも収まりが悪過ぎる。そう思うのは,私だけだろうか?
だから,AOLの今回の手の打ちようは絶妙のタイミングとなっている。いや,AOLもそれを見越して手を打ったように思える。いつ起こしてもよかった訴訟だが,混乱を収めることができず,転げ落ちていくのを踏ん張ろうとしている体勢に浴びせ倒すようなネットスケープの使い方だ。ネットスケープがAOLに統合されてもう3年になるが,これまでに訴訟を起こしてもMSには痛くもかゆくもなかったが,今なら,命取りになりかねない気がする。去年は順調にこなしていったMSの裁判対策は,根本から悪い方に転がり始め(ZDNet Newsの記事),焦りばかりが目立つボロが発覚している(ZDNetエンタープライズの記事)。今,は,もしかしたら未来からみたら,重大事が起こっているのかもしれない。
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